思いやりと生きる力

わたしを ぎゅっとして わたしを 見つめて わたしを 聞いて わたしを 呼んで

H30_10【運動会  生活・運動・心・体・脳】

(社福)童心会の運動会は何を目指しているのでしょうか?

といつも自らに問いかけている自分がいました。

柏市で10年目を目前にしている柏さかさい保育園からの歴史と歩みを振り返って見て

ようやく答えが見つけられました。

最近読んだ「脳を鍛えるには運動しかない」

(ジョン・J・レイティwithエリック・ヘイガーマン著)

というご本の中で、最新科学で分かった脳細胞の増やし方が書いてありました。

◍ 運動させた子どもは、成績が上がる。

◍ 運動をすると、35%も脳の成長因子が増える。

◍ 運動をすることで、ストレスやうつが抑えられる。

◍ 運動で、五歳児のIQと言語能力には大きな差が出る。

 

しかし私たちの考えはこれだけではありませんでした。

人間の生き方を総体的に見つめてみた時、生活・運動・心・体・脳からの

視点を外すことはできないと思い、次のように考えてみました。

私たち人間の生命を授けられた時からのスターティング・カリキュラムは、

見る、観せる、聞く、聴かせる、触れる、触るなどの五感を通して

生活(生活技術の獲得)・運動(運動機能の獲得)などがハビリテーションの目標だったはずです。

それが人間として生きる学びのはじめであり、神様の導きだったと思うのです。

そして次の目標は、非認知能力を身につけながら

人間としての「心・体・脳」の機能を高めることでした。

 

「心」はどこにあるの? 「心」はどのように育つの?という設問には

基本的自尊感情というものがあって

それは身近で信頼できる人と体験を共有し、同時に感情を共有することから

助けあうこと、そして自分はこれでいいのだ、と分かるようになって心が育つのだそうです。

「体」はどうしたら、心身共に健康になるのでしょうか?

私たち(社福)童心会では

スターティング・スマート「愛された育ち、抱きしめ言葉」を通して

脳内ホルモン オキシトシン(愛情ホルモン)を分泌させ

また朝の自由時間や毎日の屋外活動で朝陽をあびて運動することで

最近増加中といわれるビタミンD欠乏症と診断される子どもたちの予防にもつながっています。

また脳内物質セロトニンメラトニンシャワーをあびて

寝る子、遊ぶ子、食べる子元気!」な子どもたちが生活をすることで、

脳のシナプス(神経回路)のネットワークが活性化される

というエビデンス(科学的根拠)を信じて体を育てています。

また生きる姿勢としては、今年の童心会だより9月号にも書いていたのですが

次のような言葉があります。

20年にわたる調査で科学的に実証された人生を変える最強メンタルの作り方‼

著者はアメリスタンフォード大学心理学教授 キャロル・S・ドゥエック 

MIND SET(マインドセット

やればできる!」の研究

この本には次のようなことが書いてありました。

大切なことは、しなやかな心の持ち方「しなやかマインドセットgrowth mindset」である。

「その根底にあるのは、人間の基本的資質は、努力次第で伸ばすことができるという信念だ。」

と声高く言っているのです。

このようにたくさんの人たちの言葉とエビデンスに裏打ちされ

私たちの運動会、その他の行事・毎日の生活の中で私たちの目指す一生モンの

「人間として生きるための指標」はIQなどで示される認知能力だけではなく

非認知能力(社会情動的スキル)が重要であることを確信したことから、次のようになりました。

やればできる(非認知能力)

◍ がんばること(体の力)     ◍ やる気(意欲) 

◍ つづけること(学ぶ力)     ◍ げん気(健康)

◍ がまんすること(心の力)            ◍ ほん気(意志)

                                                                                                         以上

追伸:

生みの親・育ての親・地域の親などみなさんの見守りと協力で私たち子育て仲間を幸せにし、次世代を担う子どもたちを心豊かに育てて行こうではありませんか!

 

                            平成 30年 10月 吉日

                            社会福祉法人 童心会

                            理事長  中山 勲

H30_9【伝えたい言葉 生きる姿勢】

社会福祉法人 童心会の各園には”親が3人”います。

1、生みの親   2、育ての親   3、地域の親

子どもたちも

1、自分の子ども   2、保育園(みんな)の子ども   3、地域の子ども

と言われる村中の子どもたちがいます。

0歳から人間の機能を授けられた一人ひとりの存在を認めあうこと”童心会の人間教育”」

一人ひとりが一緒に暮らす仲間たちを認めあい、支えあい、助け合って生きよう!

という”村づくり”を目指しています。

新しい村づくりには将来を担う「素晴らしい子ども」が必要です。

たくさんの人たちに愛されて、多くの人たちに抱きしめられて

観て学び、聴いて習い、身体が丈夫で、頭が良くて幸せで

みんなのために、人のために、助けあって生きる社会性もあり

道徳的であり、生まれながらに授けられた五感は

興味、関心、好奇心に満ちた生きる姿勢(マインドセット

を身につけられるよう、村全体で育てていかなければなりません。

今日までの私たち(社福)童心会と子どもたちとの約束は

「0歳からの人間教育」から始まり死を迎えるまで忘れてはならない言葉があります。

それは

”がんばること(体の力)、つづけること(学ぶ力)、がまんすること(心の力)”

を身につけていくことです。

そして日常の課題学習に取りくむ時には

”やる気(意欲)、げん気(体力)、ほん気(意志)”の姿勢を忘れない、という約束です。

そして「やればできる」を心の中で叫ぶように伝えています。

さらに困難なことに出会ったら「やればできる!」と雄叫びを上げるようにと教え続けてきました。

これらの言葉を最近の学者たちは、

ノーベル賞経済学賞を頂いたジェームズ・J・ヘックマンの言う非認知能力だと言っています。

最近読んだ本の中に私たち(社福)童心会と同じ考え方の心理学者が書いた本を読む機会がありました。

その本のキャッチコピーは次のようでした。

20年にわたる調査で科学的に実証された人生を変える最強メンタルの作り方‼

著者はアメリスタンフォード大学心理学教授 キャロル・S・ドゥエック 

MIND SET(マインドセット

「やればできる!」の研究

この本には次のようなことが書いてありました。

大切なことは、しなやかな心の持ち方「しなやかマインドセットgrowth mindset」である。

「その根底にあるのは、人間の基本的資質は、努力次第で伸ばすことができるという信念だ。」

と声高く言っているのです。

改めて私は(社福)童心会の人間教育(教育・保育)のあり方を見つめてみました。

「0歳からの人間教育」胎生期28週から授かった視覚・聴覚・体制感覚のネットワークの基礎は

生後与えられた五感を駆使しながら次の3つの学びの道程(みちのり)をスマートに

歩きはじめなさいと言われているように思えてなりません。

                      

①スターティングスマート(人生の始まりこそスマートに)

       ◦愛された育ち・抱きしめ言葉

 

②スマートラーニング(人間としての学びの姿勢)

       ◦興味・関心・好奇心・意欲・意志

 

③スターティングカリキュラム(学びのはじめ)

       ◦五感を刺激する人間教育

                  (視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)

 

時代は今、人生100年の時代、私の好きな言葉がようやく世の中の檜舞台に押し上げられてきました。

生涯学習:・生涯教育・人間教育」という言葉です。

人間は生を授けられた限り

生涯にわたって学び続けなければならない生物であるということを教えられました。

そして、この本の第7章の最後には次のように書いてありました。

 優れた教師(保護者・養育者)とは、まず何よりも、生徒(子ども)とともに学び続ける人間だということを教わった。

                                   以上

                          平成 30年 9月 吉日

                          社会福祉法人 童心会

                          理事長  中山 勲

H30_8【未来を創造していくのは いつの時代も「人」だ】

2020年東京五輪パラリンピックの公式マスコットの名前が

五輪は「ミライトワ」、パラリンピックは「ソメイティ」に決まりました。

f:id:doushinkai:20181001165718j:plain

ミライトワは「未来」と「永遠(とわ)」を結合させ

ソメイティは桜の「ソメイヨシノ」と英語の「so mighty(非常に力強い)」を掛け合わせたものだそうです。

私はこのマスコットの名前の持つ意味は、五輪は「子どもたちに永遠にある未来を」

そして「国(さくら)を背負って強く生きる」という姿勢を示しているのではないかと想像しています。

テーマに書いた言葉は日本有数の大衆イタリアンレストラン事業部の

正社員募集のご案内に書いてあった言葉です。

未来を創造していくのは、いつの時代も「人」だ。 そして言葉はさらに続きます。

「食堂業に『科学』という、かつてない概念を生み出し、可能性をきりひろげてきました。

その原動力となるのは、科学やテクノロジー単体ではなく、それらを駆使する「人」にこそある。

私たちはそう考えます。」と結んでいました。

改めて、『未来を創造していくのは、いつの時代も「人」だ。』

という言葉を考えてみた時、1991年に開催した

第26回ユネスコ総会において21世紀の教育や学習の在り方について検討するための

21世紀教育国際会議が設置されたことを思い出しました。

古い資料を紐解くとその成果を1996年「学習:秘められた宝」にまとめ

報告書も「ドロール・レポート」と呼ばれているものがありました。

表題の由来は、ラ・フォンテーヌの寓話「農夫とその子供たち」。

f:id:doushinkai:20181001170536j:plain

その内容は子どもたちが宝物を求めて畑を掘り起こす物語を「秘められた宝」として

農夫(親)が生涯教育を示し、子どもが生涯学習を見つめることを意味するとありました。

そして「学習の4本柱」が教育方針として提言されたのです。

 

1、知ることを学ぶ(learning to know)

2、為すことを学ぶ(learning to do)

3、共に生きることを学ぶ(learning to live together) 

4、人間として生きることを学ぶ(learning to be)

 

そして時代は変わりOECD経済協力開発機構)の

ECEC(Early Childhood Education and Care 乳幼児期の教育とケア)は次のようにして生まれました。

f:id:doushinkai:20181001170131p:plain

乳幼児期プロジェクトのきっかけは1996年の「万人のための生涯学習の実現」

についての加盟国の教育大臣会議でした。

そして1998年3月「乳幼児期の教育とケア(ECEC)」政策に関する調査に着手しました。

調査をする正当な理由は、生涯学習の基礎を強化するということでした。

当初の考え方は、幼い子どもにケアと教育を提供することは、

女性の労働市場の参加を保証するうえで必要だと考えられていましたが、

次第にそれだけではなく乳幼児期の発達が人間の学習前発達の基礎形成段階であるとみなされるようになってきたからだというのです。

したがって乳幼児期のプログラムを作ることは、すべての子どもが人生を公平にスタートさせるのに役立ち、また教育を平等と社会的統合に寄与するであろうと考えたからでした。

そして2001年6月、OECD保育白書が

「人生の始まりこそ力強く:乳幼児期の教育とケア」

のタイトルで刊行されたのです。

OECDの基本的理念は次の通りです。(2項目のみ抜粋)

 1、幼い子どもは年齢によらず人権の完全なる主体であり乳幼児期からの発達と教育への権利を有する。

 2、近年の脳神経科学研究により、幼い子ども、特に3歳未満の人生の最初期にある 子どもは有能な学習者であることが確かとなった。

OECD生涯学習・生涯教育の考え方は、人間の従前からの権利理解と新しい脳神経科学を取り入れた幼い子ども、特に3歳未満の子どもは有能な学習者である、という理念を持ったことでした。

私たち(社福)童心会の保育は、1973(昭和48)年

茨城県下館(現:筑西)市から始まった「0歳からの人間教育」でした。

「五感を刺激する教育・保育」Smart Learning(人間としての学ぶ姿勢)とは

五感を通しての

「学びのはじめ」

興味・関心・好奇心・意欲・意志

を育てることであると確信していたからです。

ようやくそれを脳神経科学やノーベル賞経済学賞を受賞したJ・J・ヘックマンや教育経済学者たちの30年、40年間に亘る縦断研究などが強い後押しをして、エビデンス(科学的根拠)を示してくれたことからまた私たちの教育・保育は進化を始められそうです。

改めて私たちのテーマはStarting strong(人生の始まりこそ力強く)ではなく、次のようになりました。

Starting Smart (人生の始まりこそスマートに)

・愛された育ち(子どもの権利)

・だきしめ言葉(養育者の義務)

そして人間教育の目標は次のようになりました。

         人間を創る

 ひ  と  り  で できる     ひ  と  り  で できた    ひ  と  り  で 生きる

 み  ん  な と    できる   み  ん  な と   できた      み  ん  な と   生きる

 人のために  できる      人のために   できた       人のために   生きる 

 助けあって   できる     助けあって    できた           助けあって   生きる

                                       以上

                       平成 30年 8月 吉日

                       社会福祉法人 童心会

                       理事長  中山 勲