思いやりと生きる力

わたしを ぎゅっとして わたしを 見つめて わたしを 聞いて わたしを 呼んで

〔 新たな日常の創造~ New Normal 〕

 New Normal という言葉が最近流行っています。
 原義的には「解体と創造」を意味する言葉であり、「社会が変わるチャンス」とも言われています。
 2008年9月、米国大手投資会社 ・証券会社 のリーマンブラザーズ ・ホールディングスが経営破綻し、世界経済の停滞に大きな影響をもたらした事件でした。 だから世界経済はリーマンショックから回復しても、以前の姿には戻れないとの見方から生れた言葉でもあります。


 私たちは令和2年4月7日(火)に新型コロナウィルス緊急事態宣言が発令されてから、新型コロナウィルスの中で私たちは保育者仲間たちは医療従事者と同じくいつ襲われるかも知れない感染症の恐怖と闘いながらも、新型コロナ対策「前と今とアフターコロナ」のGrand Design (グランドデザイン)が問われていると思い考えて見ました。

(社福)童心会
アフターコロナ対応のグランドデザイン

〔新型コロナウィルス( Covit 19 )の環境に生きた子どもたちは、どのような子に育つのでしょうか 〕


1.心 が 壊 れる 子 メンタルヘルス ・ケアの必要性)
  ○DV 、虐待、コロナ離婚、貧困等によるストレス

 

2.コミュニケーション能力の低下
  ○家庭保育、ゲーム、 TV 、スマホ、不規則な生活
  ○遊ぶ仲間、時間、場所が少ない

 

3.子どもの社会環境の刺激の低下
  ○ヒト、人環境  

  ○外・四季環境

  ○ 社会資源の活用

  ○ 運動 ・遊ぶ環境


4.保育所 から 始 める 村 づくり ヒューマン ・ネットワーク)
  ○生みの親、育ての親、地域親との交流
  ○みんなと生きる、ヒトのために生きる、助けあって生きる(利他の心)
  ○アロマザリング(共同養育)の重要性


5.新たな日常(デイリープログラム)
  ○規則正しい生活の中に予防医学的見識を取り入れる
  ○生活防疫(検温、健康チェック、手洗い、うがい、不要不急の外出)
  ○睡眠(早寝、早起き)、食事、お手伝い、自立、自律心


6.免疫力を高める(千代田 国際クリニック院長 臨床医 永田勝太郎)
  

a)規則正しい生活
  マスク、 手洗 い 、 うがいお 風呂 、 早寝 ・早起き

b )睡眠の確保
  一日7~ 8 時間

c )日々の食事(栄養)
  体を冷やさず、温かい物

d )果物 ・生野菜の摂取
  ビタミンB、ビタミンC etc.

e )適度な運動
  ○血流を良くする
  ○深呼吸(健康効果大)

f )セルフコントロールの時代
  ○自分の健康は自分で創る
  ○生活防疫(病気に対する知識や見識を高める)


 私は今月の法人だより「新たな日常の創造」というグランドデザインを考えてみた時、「New Normalや免疫力を高める」に求められていることの多くは「規則正しい生活と健康的な生活」をくり返す事であると確信しました。
 そしてまた、今では個人生活を尊重し、大切にしてきましたが、これからは社会的秩序を重視した生活をマナーとして身につけるよう教えています。
 三密を避け、アフターコロナの生活者としての心得は社会全体が「非接触生活者としての生き方」を求められています。買い物も支払も仕事(テレワーク・リモート)もです。
 だからまたまた「心が壊れる人たち」が多く生れることが心配になりました。しかし、時代の価値観がどんなに変わってもが、私たち人間教育の世界にいる(社福)童心会のセオリー(理論)は変わりません。
 それは「愛された育ち、だきしめ言葉」 を保障することです。


     令和2年7月吉日
     社会福祉法人童心会
     理事長 中山 勲

〔 Power to the People (我々に力を 〕 助け合って 生きよう(社福)童心会~

Power to the People(わたしに力を)
Power to the People(あなたに力を)
Power to the People(みんなに力を)
Power to the People  Right on (正しく強い力を)


 この歌は、アメリカ人の歌手:シンディ ・ローパーという人が東日本大震災の日本の悲惨な現状を目の当たりにして、チャリティコンサートをした時に日本の皆さんに贈ってくれた祈りの歌です。
 改めて今、私たちが闘っている新型コロナの問題を日本の安倍総理は、令和2年4月7日に緊急事態宣言を出してから、5月4日に第二次緊急事態宣言を発表し、5月31日までと延長を決定しました。


国の指針は「新しい生活様式」。具体案は

1 ,マスクの着用 

2,人との間隔は 2 m

3,会話は小さな声で

4 ,帰省旅行は控える

5 ,誰と会ったかメモする

私はこれを聞いたとき、私たちの新しい生き方を考えてみました


〔(社福)童心会、新たな日常生活に応じた生き方 〕
  ~Innovation of daily life in Doushinkai~


1,   環境の変化に応じた新しい生活様式(デイリープログラム)
2,環境の変化に対応した新たな日常生活(生活防疫やメンタルヘルス・ケア)
3,新たな日常生活の習慣化(体温測定、手洗いなどの健康管理)
4,新たな日常生活の創生(予防医学的な見識)

 

 このようなことを考えていた時、TVのニュースでは子どもの数が1,512 万人で総人口の12%まで減少し、そしてそれは39年連続だというのです。
 今こそ「ヒトの成り立ち」を考えたとき、「生まれ、育ち、産み、育て、老いて、病んで、死を迎える」という基本的なライフスタイルを歩む覚悟をしなければならないのです。

 

保育所から始めるコミュニティ創り 〕
  ~(社福)童心会の村づくり~


 人とひととの ぬくもりで 子どもが育つ
 親が育つ 地域が育つ街 (社福)童心会

 

1,(社福)童心会の村づくり
・今 保育園は 町の小さなコミュニティ、心とこころが ふれあうところ
そして 共にくらす仲間たちが 助け育ちあうところ
だから ここは 私たちの家、ここにくらす仲間たちは、私たちの家族のひとり

2,アロマザリング(共同養育)
・昔から私たち(社福)童心会の保育園は共同養育の場所です 。
みんなで子育ち子育てをしてきました。

3,新しいヒューマンネットワーク
・生みの親と一緒に地域親を育てながら、よりよい育ての親になろう。

4,共存、共生、共感、共育環境の創造
思いやり(慈悲)と 生きる力(智慧) 、この 2 つの私たちの保育目標が、
これからはヒト(ホモ ・サピエンス)私たちの生きる目標になるのです 。
 それは昔から私たちに伝えられてきたDNA (遺伝子 「助けあって 生きる」につながる大目標だから次の世代につなげていく責務も持たされているのです。
そこで私たちは経営理念( Philosophy )の意味を常に確認しあっています 。

〔ヒトを創る 〕


ひとりで  生きる

人のために 生きる

みんなと  生きる

助けあって 生きる

 

 改めて私たち(社福)童心会として与えられた使命は、「未来に生きるヒトを創る」ことです 。だから必ず Well Being(心も身体も健康で、社会的にも幸せに生きるヒトたちを創る)ことが、今のこの社会に生きる私たちの務めなのではないか、といつも考えています。
 今こそ私たちが生みの親と育ての親、地域親たちが一つになって、”助けあって生きる” この私たちの道しるべ を実行し、「これからの新しい生きる」を創造していかなければなりません。


我々に力を!(Power to the People)


    令和2年6月吉日
    社会福祉法人 童心会
    理事長 中山 勲

〔 応答関係 (サーブ&リターン と 愛着形成 (アタッチメント 〕

 私たちの保育 ・教育の世界では、「アタッチメント(愛着)」と呼ばれる広く知られた考え方があります。
 イギリスの精神医学者 ジョン ・ボルビィ( 1907-1990 )がアタッチメントを理論化したものですが、それはある特定の養育者(母親的な役割をする者)と子どもの二者間で形成されることを前提としていました。
 こうした考え方がドイツと日本の「3 歳児神話」につながり3歳までは母親が子育てをすべき!という「子育て観」につながったのだ、と思っています。


 今でもアフリカのアカ族や南米のアチェなどの狩猟採集社会では、母子という二者関係に限定されない複数で共同して養育する形態(アロマザリング ・共同養育)という見方が一般的だと言われています。
 昔は日本でも大家族の中で子育てが行われ、またご近所の人たちが「育ての親」となって子育てに関わりを持っていたのです。
 今の時代では(社福)童心会の保育園の村づくりが共同養育(アロマザリング)の考え方に一番近いと思っています。


 また、子どもとその子どもにとって重要な大人(母親かそれに変わる養育者)との間のサーブとリターン(応答)の相互関係が成立することの重要性を、ハーバード大学子ども発達センターが発表しています。
 ある比較認知発達科学者が自分の子どもの出産を体験して次のように書いていました。

 「出産後、10分ほどたった頃でしょうか、助産婦さんが、私が横たわるベッドに息子を連れてきてくれました。彼は仰向けの姿勢で寝かされ、手足の動きをうまくコントロールできずにばたばたともがき続けていました。
 しかし驚いたことに、そばにいる私と目が合ったとたん、彼は手足を動かすのをやめ、目をしっかりと見開いて私の顔を見つめ始めました。私の方も思わず彼に声をかけ、微笑みを返していました。周囲を好奇のまなざしで見つめ、いろんなことを知りたい、学びたいという気持ちが彼の全身からあふれ出ているようです。」


 今の科学では、ヒトは胎生期の28週頃から視覚、聴覚、体制感覚を身につけ、いろいろな学習をしていることが分かっています。
 またヒト(胎児)は母親の声についても学習・記憶し始めていることが記録されているというのです。


 私たちはこうした臨床事例を臨床保育の現場でたくさん体験してきたから「五感を刺激する0歳からの人間教育理論」愛着形成(アタッチメント)の前に必要な応答関係(サーブとリターン)の重要性を強く感じ、(社福)童心会の保育者仲間たちと童心会の人間教育の特色として共有してきました。
 また、アタッチメント理論の中で重要なことは、身体が養育者と「ふれあいだきしめ言葉」の中にいつもいられることで強い安心感、信頼感が記憶されるといわれています。

 

私たちは(社福)童心会の保育理論から生れた応答関係はヒトの胎生期と新生児期の間には、発達の連続性があり、生命の誕生にもつながっているのだから出生時からの応答関係の大切さを強く感じています。


 赤ちゃんは日々、他者から見つめられ、表情を介した積極的なはたらきかけを受けます。そして自ら応答しようとするのです。見つめあい、声を出して、表情を変化させながら養育者との双方向的なコミュニケーションが始まるのです。
 だから私たちは0歳児からの子どもたちとの応答、うけこたえや問いかけ、話しかけに丁寧に答えることを心がけておかなければいけません。


 そこで私たち(社福)童心会では子ども達の問いかけや話しかけに対してどんな時でも応答不全応答拒否応答無視などをしないで応答受容(受け入れる)することによって安心した人間関係をつくる基盤が育ち、人間性豊かな人に育っていくことをたくさんの臨床事例を通して私たちは実証しています。


 改めて私たちは、応答関係(サーブ&リターン)から愛着形成(アタッチメント)へとつながるプロセスを認識し、(社福)童心会の人間教育に対するイノベーションを高めていくことを約束します。


          以上


          令和2年5月吉日
          社会福祉法人 童心会
          理事長 中山勲