H26_07『 なぜ ヒトは未熟な状態で生まれてくるのか? 』
「人類進化700万年の物語」という本の中で「私たちだけが なぜ 生き残れたのか」
という問いかけがありました。
ここ180年間の発掘調査で27種のヒト族の骨が発見されましたが、今日まで生きのびて来られたのはホモサピエンスだけで、ほかの系統の種は全て全滅してしまったというのであります。
著者チップ・ウィルターがとりわけ熱心に紹介するのは、ヒトが未熟な状態で生れてくることが環境適応に有利に働いたという説であります。
人類に特徴的な長い幼年時代は、生れてすぐ立ち上がる動物などと較べて、親子で過ごす時間は極めて長いのです。
教育や学習に膨大な時間と手間をかけることで、より多様な環境、状況に臨機応変に対応できるようになったことが生き残りのカギになったというのであります。
改めて私たちは未成熟なまま人間として生れた意味を考えた時、身近な自然、身近な事象、多様な環境に対応できる知恵の獲得につながって来たのだから、特に私たち保育所の役割は重いことを知らされました。
親子で過ごす時間が長い、家族と暮らす時間が長い、ご近所の人たちとの生活時間が長いことが、高度な知性を育くみ、具体的には互助の知恵や問題解決能力を生み出したと言うのであれば、保育所の本当の役割は何なのですか?と私は皆さまに問いかけたいのです。
1日24時間の生活時間の中で、保育所でお友だちと過ごす時間が長い、保育者仲間と過ごす時間が長い、身近な自然、身近な事象、多様な環境に対応できるのは童心会の保育園の中にたくさんあります。
このように生活する時間が保護者の皆さま、子どもたち、保育者仲間たちと「助けあって生きる」場所になっているのです。
改めて今、失われた子育て文化の世代間伝達を考えてみた時、新しい時代に対応した私たちの役割を一緒に考えてみたいと思いました。
「新しい子育て文化の創造」を少し泥くさいかも知れませんが農耕民族の生活の中に息づいていた生活共同体の中で生みの親、育ての親、地域親が一緒に助け合って生きてきたことを思い出してほしいです。
一緒に創り上げて行きたいのです。
ご協力ください。
本当に童心会の保育園が「生きている喜び」につながる保育園になることを願って
日々全力でがんばっています。
ご支援の程よろしくおねがいします。
平成26年7月吉日
社会福祉法人 童心会
理事長 中山 勲