H26-10 『 キャリア形成につながる保育 』
9月30日(火)の千葉日報を読んでいましたら千葉県議会の県教委に対する一般質問がありました。県教委は、2012年県内公立小中高校で発生した児童生徒による暴力行為が2887件に上ったことを明らかにしていました。前年度に比べ全体的には減少はしましたが小学校では逆に増加しており、低年齢化していることが分かりました。
私はこの記事を読んで同じ千葉日報9月18日(木)に書かれていた虐待が子どもたちの脳を傷つけ、その後の人生に大きな影響を与えると言う記事を思い出しました。
以下は、福井大子どものこころの発達研究センター教授の精神科医 友田明美さんのお話です。虐待を受けるとすぐにかんしゃくを起こし、キレやすくなる子が多くなるそうです。厳しい体罰や暴言、DV(暴力行為)などを受けると脳の委縮や変形、縮小が起り、脳の部位がひどく傷つくからです。
私は今回秋田市で行なわれる、『第48回全国保育研究会』で研究発表します。
タイトルは「キャリア形成につながる 新しい保育のパーソナルデザイン」です。
生れてからすぐに始まる人間としてのキャリア形成は、年齢毎の発達や経験を通して階段を一段ずつ上りながら新しいステージの中で、自分という人間の生き方を創り上げていく、ということなのです。
乳幼児の子育ての問題に対しても私は、「子育ての問題は、乳幼児と養育環境の関係性の障害と考え、支援の手立ては関係性の改善に取り組む」、という世界精神保健学会と
同じ考えで取り組んでいます。
子どもに乱暴をしてしまう親に対しても私たちは育ての親として生みの親のご苦労を理解し、孤独で子育てに迷い悩み、苦しんでいる母親や家族の皆さんを、私たち保育園の育ての親や社会が支えていくことが大切だと考えています。
しかし不幸にも虐待やDV,暴言を受け傷ついた脳も友田明美教授によれば回復が可能だと言うのです。
安心できる環境で良い育ての親が育てる方法やホルモンを使った治療方法が試みられているそうです。
私たちもこのような問題に対して、生みの親と一緒によりよい育ての親が早期に発見し、真剣に治療保育に取り組んでいくことをお約束します。
お気軽にご相談下さい。
平成26年10月吉日
社会福祉法人 童心会
理事長 中山 勲