思いやりと生きる力

わたしを ぎゅっとして わたしを 見つめて わたしを 聞いて わたしを 呼んで

H27_02 『 自分自身を愛すること 』

 法人だよりを書いている今、一年で最も寒い季節を大寒(だいかん)と言うそうです。しかし、園庭をよく観察すると霜柱の中を駆けずり廻って遊んでいる子どもたちに、お陽さまの輝きは少しずつ力強さを増し、生き物たちも敏感に春の気配を感じながら目覚めの準備を進めているようです。

 春の訪れを心待ちにしながら陽だまりの中で、久しぶりに旧約聖書を読んでいたら「レビ記」には、「自分自身を愛するように隣人を愛しなさい」と書いてありました。通常私たちは「隣人を愛しなさい」と教えられてきました。しかし、ユダヤ教徒はむしろ

「自分自身を愛しなさい」

に力点をおいて読むそうです。

 

 日本には昔から、気候、風土、文化、歴史、宗教に裏づけられ、育くまれてきた人間観があります。それを私たちは「自敬、自尊」と言ってきました。「自敬」とは人格性の絶対的価値と尊厳とを自己自身に認めること、とあります。即ち自分自身を敬える人になるように、他人の存在を敬いなさいと言う教えなのでしょう。「自尊」とは自らの人格を尊び、誇りと品格を保つこと、とあります。即ち

「自分自身を大切なものとしてたっとぶように 他人の人格をも尊び共生しあえることの喜びを共有しましょう。」

という意味なのでしょう。

 

 

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改めて、日本の文化、歴史に裏打ちされた「自敬、自尊」の意味を考えて見た時

世界の四大宗教の教えと同じ意味であることが分かります。

今この時代に世界各国で醜い、悲惨な殺し合いが行なわれています。

私たちの願いは、ただ一つです。

「ただ生きているだけですばらしい!」

「ただ生きているだけで 誰もが尊い

と言われ育ててきた我が国の価値感を 大切に育てて行きたいと願っています。 

そして、また誰もが願っている「安心、安全で健やかな暮らし(生活)が保障される世の中」を創っていきたいと祈っています。

 

もうすぐ3月、卒園、進級の季節もせまっています。

日本の歴も立春から春分を迎えます。

春分とは、太陽が真東から昇って真西に沈み昼と夜の時間がほぼ同じ長さにある日です。 

 

保護者の皆さま方にも、平等に自然の恵みが届けられ、すべての私たちの仲間たちにも「生きている喜び」に満ちた日々が訪れますように願っています。

 

 

 

平成27年2月吉日

社会福祉法人 童心会

理事長 中山 勲