思いやりと生きる力

わたしを ぎゅっとして わたしを 見つめて わたしを 聞いて わたしを 呼んで

H27_08『未来の親づくり』

私たち保育園の仕事、特に社会福祉法人 童心会の仕事は、乳幼児期の子どもたちを保育(養護と教育)するだけではないのです。
また、子どもの保護者である皆さま方の保育を指導するだけでもないのです。
そして、また地域の子育て家庭の皆さまを支援することだけでもないのです。
そこで私たちの考え方の一端を述べさせて頂きます。

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確かに今、「保育所の役割と機能」だけでなく、「保育所併設型子育て支援センターに求められているプログラムサービス」を振り返ってみた時、「新しい子育て文化の創造」という言葉が生れてきます。


即ち、どのような活動をするのか、というと小・中・高校生のための育児体験を通した「未来の親づくり」をすることなのです。

 

2003年に発表された兵庫レポートという子育ての現状では「自分の子どもを生むまで子どもの世話をしたことがない」という人たちが54.5%もいるということを読んで、何をしてあげることが大切なのかを考えてみました。

 

そして出た私たちに課せられている仕事の答えは、「未来の親づくり」をすることだったのです。

 

私たち社会福祉法人童心会では毎年、年間80名位の小・中・高校生がインターンシップにやってきます。
その中の一人沼南高校一年生A さんの手紙を読んで頂き改めて保育所の役割を皆さんとご一緒に考えて行きたいと思いました。

 

『1 日目の朝、園長先生が「相手のことを思いやり、労って声を掛け合っている」と話して下さったことを「お疲れ様です」と声を掛けて頂くたびに思い出しました。

先生と保護者、先生と園児のつながりだけでなく、先生同士のつながりも強く深いな、と感じました。

そして今回のこの2日間でもも組さんからも、さくら組さんからもたくさんのことを学びました。

もも組さんでは、一生懸命にして伝えてくれようとする姿を見て、この子たちはこんなにも一生懸命伝えようとしてくれる、そんなことを思った瞬間、ふっと私は日常で相手に頑張って伝えようとしているだろうか、と考えました。

相手に伝える手段をたくさん知っているのにそれを引っ込めて無駄にしてし
まっているということに気付きましたえ。

そして、ぎゅっとされる安心感や嬉しさ、人の温かさも思い出させてくれました。

教室に入った時、人見知りで泣かれたら・・・と思っていたら歩み寄ってぎゅっとしてくれた子や膝の上にのってくれた子がいました。

その温かさにとても安心しました。

中学生の頃1 日職場体験をさせて頂いた時、園長先生がおっしゃった「相手の気持ちを考えて思いやるという、あたりまえのことを皆ができたらケンカや争いも無くなる」というお話や赤ちゃんにミルクをあげたり着替えさせたりしたこと等、今でも心に残っているので、きっと今回2日間の体験も私の人生で大きなものとなり、心に残ると思います。

今回学んだことをこれからの人生に活かしたいです。』

 

私はこの手紙を読んでこの人の感性の素晴しさに驚いています。
わずか中学生時代に1 日、高校生で2 日のインターンシップ
この様な心の変化が生れ成長していることに喜びを感じました。

 

今改めて私は、保育園の役割を考えています。
「保育園は、人間を育てるところです。」赤ちゃんだけでない、子どもだけでもない、
生みの親という保護者の皆さまだけでもありません。
神さまから生命を授かった人間が生活するこの世界で
(社福)童心会の保育園が「みんなで助け合って生きる地域コミュニティ創り」を
目指しながら、互助、互恵の関係が深められる温かく、ぬくもりのある生活拠点作りに
励んで行きたいと心に誓いました。

ご協力よろしくお願いいたします。

 


平成27 年8 月吉日
社会福祉法人童心会
理事長中山勲