思いやりと生きる力

わたしを ぎゅっとして わたしを 見つめて わたしを 聞いて わたしを 呼んで

H28_10『生活リハビリ』 

私が8月16日(火)の夜に "尻もち" を着いて脊髄を圧迫骨折をして、9月28日(水)まで43日間入院生活を余儀無くされました。

私の一生で初めてのことでした。

入院生活で失ったものを皆様にお伝えします。

 

1、24時間×43日間=1032時間たくさんの生活を時間を失いました。

2、2週間寝たきりで、独りで歩けないほどの筋力を失いました。 

3、日常生活を自立出来ない悔しさを感じました。(特に排泄)

4、寝たきりの食事を体験しました。

5、生活習慣の自立を3週間以上失いました。

 

今日 私が皆さまにお伝えしたかったことは、テーマに書いた「生活リハビリ」のことです。

パナソニックのテレビのCMの中に、この言葉がありました。

皆さまの中にもご覧になった方がたくさんおられるかと思います。

次のようなシーンでした。

「年老いた老婆が家族に見守られてお散歩をしていたのですがようやくベンチに腰を掛けました!」その時に "生活リハビリ" という言葉が映し出されました。

寝たきりの私には痛いほど、共感しなければならない言葉でした。

 

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この時でした。

私たちが毎日ご家族の人たちにお伝えしなければならない言葉を思い出したのです。

私たちの年代の人たちは、お食事の配膳のお手伝いやお風呂の準備、薪割りや洗濯物の片づけ、草むしりやお掃除、雑巾がけなど家族一人ひとりが生活者として役割を果たさないとそれぞれの家庭の生活が成り立ちませんでした。

このような生活を繰り返しながら 各種機能の獲得や、多様な生活技術を身につけながら人間として育つことが出来たように思います。

もちろん子どもたちの「仲間遊び」があったからこそ、と言うことも 忘れてはなりません!

しかし、平成24年3月に出た文部科学省の幼児期運動指針では動きの獲得には「動きの多様化」と「動きの洗練化」のこの二つの方向性があると言っています。

基本的な動きには立つ、座る、寝ころぶ、起きる、ぶら下がるなど 「体のバランスをとる動き」、歩く、走る、跳ぶ、登るなど 「体を移動する動き」、持つ、運ぶ、投げる、捕る、けるなど 「用具などを操作する動き」、挙げられます。

しかし、文部科学省は「体を動かす遊びや生活経験などを通して、多様な動きを獲得していくことになる」 と発表していますが、現実的には 「サッカー」や「水泳」「学習塾」「英語塾」などの "習いごと"  を中心とした生活経験の中で、またそれに加えてテレビ、ビデオ、ゲーム、スマホなどの電子メディア機器との関わりを抜きにしては、子どもたちの実態を把握することは片手落ちであると思っています。

これを受けて幼稚園や認定こども園では、3才児からの幼児教育と称して学校教育に迎合した座学中心の教育を頑(かたく)なに守っているのです。

しかし、これでは乳幼児期の運動機能は高められません。こんな時代の中にあって 私たち(社福)童心会では、ばら組(0才児から)歩行が可能になると他人のためになること、おやつ運びなどからお手伝いを始めます。

 

だから皆さまにもお願いがあります。

まだ皆さまには小さなお子さまに見えても立派な生活者の一人なのです。

テレビやスマホに子守りをさせないで家でのお手伝い、「生活リハビリテーション」をたくさんさせて下さい。

子どもたちの将来を守るためにも ご協力よろしくお願いいたします。

                                     

 平成 28 年 10月 吉日

 社会福祉法人 童心会

 理事長  中山 勲