H28_11『運動会を通して 学んだこと』
お茶の水女子大学教授・副学長を経て、名誉教授になられた
内田 伸子 教授(現十文字学園女子大学特任教授)は、ある新聞で次のように語っています。
タイトルは「早期教育より 遊びとふれあい」として、子どもの早期教育の過熱に次のような警鐘を鳴らしていました。
米国の調査で生後6か月から10ヶ月の間に、早期教育の教材ビデオを1日1時間以上見せつけられていた子供たちは、認知や言語の発達が遅れていることが分かったというのです。
また語彙力(ごいりょく)については習い事をすると先生や新しい友達とコミュニケーションをする機会が増えるので、学習系の習い事だから豊かになるわけではない というのです。
そして英語の読書力偏差値では、日本語の読み書き能力をしっかり身につけてから海外に行った方が英語力が高くなり、幼児期に本の読み聞かせをたっぷり受けた子やブロック遊びを好んでいた子は国語の学力が高いし、3~5歳児を対象にした調査は、体操やバレエ、ダンスの教室に通っている子の運動能力は、そうでない子よりむしろ低い。
同じ動きを繰り返すだけの運動能力を発達させるトレーニングよりは、自由な遊びの方が有効です、と断言しています。
私はこれを読んで改めて運動会の「伝えあいメッセージ」を読ませていただきました。
牛久みらい保育園からは 次のように書かれていました。
「今年もまた素敵な運動会だったと思います。
泣いてばかりで何もできなかった1年目。
泣くことなく頑張りを見せてくれた2年目。
人より何倍も時間を要したものの、あきらめずに最後までやりとげた3年目。
今年はどうなることかと、ずっとドキドキハラハラしていたものの、のんびりマイペースながら、グランドで一人になっても皆様の応援を受けて、あきらめてなかった姿に涙が止まりませんでした。
2、3日前まで、台から飛び降りられなかった娘が、ずっと練習を続けて下さったことでできるようになり、あきらめない力も身に付いていました。
先生方の努力と温かい支援に、心より感謝申し上げます。
ありがとうございました。」
また、柏さかさい保育園からは、次のように書かれていました。
「運動会、最高でした。
本当に成長をひしひしと感じました。
大合戦の団長、はりきっていたし、家で全く練習のしないA君が、 この頃勝てないと落ち込んでどうしたらいいかと相談してきたりして、親としても一緒に考えたり励ましたりしながら、むかえた本番。
格好よかった~!
勝てて本当に嬉しそうな笑顔。
ずっと緊張してたんだなと涙が出ました。
リレーも負けても最後まで全力で走ることができ、勝利より得たものがあったと思います。
本当に感動の連続の運動会をありがとうございました。
みなみ先生の涙、光ってました~!」
私はこのような感性豊かな「伝えあいメッセージ」をたくさん読ませて頂いて、その御礼に子どもたち一人ひとりの姿をお知らせし、運動会の練習を通し、何を学んできたのかを一緒に考えてみたいと思いました。
毎年の運動会後の子どもたちの姿は、たんぽぽ、ひまわり、さくら組さんがそれぞれ運動会を通して自信を獲得したのか、(社福)童心会に掲げられている課題学習に真剣に取り組んでいます。
運動会前までは、むずかしいと思われていたナワとびやホッピング、一輪車、鉄棒、ボールつきなどにチャレンジして、たくさん「賞」を獲得してくれたことにうれしい悲鳴を上げています。
このA君のように大合戦が「この頃勝てない」と落ち込んで、「どうしたら良いか?」と親として一緒に考えたり、励ましたりしながら、当日を迎え、「お父さんの前で勝つことができた感動」を共有できたご家族に心からの 「子ども時代の宝物」 をお贈りいたします。そしてまたこの「運動会を通して学んだこと」「やる気・げん気・ほん気」が「子どもだましでなかったこと」を皆さまにお知らせして、一緒に "人間教育” の道を歩んだ証をここにお伝えしておきます。
ありがとうございました!!
平成 28 年 11 月 吉日
社会福祉法人 童心会
理事長 中山 勲