思いやりと生きる力

わたしを ぎゅっとして わたしを 見つめて わたしを 聞いて わたしを 呼んで

愛すること ~新しいベビーサインの意味~

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最近の新しい「赤ちゃん学」や「日本乳児行動発達研究会」、「脳神経科学」「発達行動学」などの世界では、胎児はお腹の中で泣いたり、笑ったり、目を動かしたり、呼吸をしたり、指をしゃぶったり、ハイハイに似た動きをしていることがわかっています。

 そして、それが生後にどう関係してくるのかもわかってきました。

ではなぜ赤ちゃんは胎内でいろいろな運動をしているのでしようか

答えは非常に明快です。
その運動が「遺伝子の働きによって、もうすでに決まっていること」だからです。
と小西行郎(発達行動学、小児科学)さんは「赤ちゃんと脳科学」というご本の中で書いていました。

生れてすぐの赤ちゃんが理由もなく”微笑む”(新生児微笑,生理的微笑)のも、ちょっと笑うことで、生後親の愛情を獲得して生きていくために必要な能力だからというのです。


ちょっと笑うことで、親の意識を自分の方に向け、親に養育してもらうために
一生懸命親とのコミュニケーション能力を高めようとしているのです。
こうした新しい科学が「新しい子育ての創造」を深く求めている時代なのにも関わらず
まだ今の母親に「いい育児をしよう」症候群が多いのはなぜでしようか?

入園式にもお話しました。


普通の子育てでは「子どもの成長・発達をみること」なのですが今日の子育ては、よい育児をしようという母親とセットになっていて
「三歳までは母親の手で育てなければならない」と考える三歳児神話がまだ残っているのです。


子育ての社会化といい、社会全体で子育てをしようという時代になっているにも関わらずですよ!
昔はこのような考えなどしなかったと思うのです。


前にあった子育ての社会環境には「良質な三世代にわたる大家族」の家庭環境と
ぬくもりある温かいご近所と井戸端会議があったはずなのです。そして豊かな自然に恵まれ、そこが子育ての広場になっていて「子育ての知恵と助け合い」があふれていたのです。
母親だけが養育者ではなく、ご近所の皆さんが養育者だったのです。

昔にあった社会教育力


1、家庭の教育力
2、ご近所の教育力
3、子ども社会の教育力
4、地域社会の教育力
5、学校の教育力


この家庭の教育力ご近所の教育力地域社会の教育力が失われたあとに、託児所や保育所、幼稚園、認定こども園子育て支援センターなどが乳幼児教育・保育の役割を持つことになったのです。


小西先生も言っていることなのですが、子育てとは特別な英才教育や早期教育をすることではないのです。


子どもの発達を楽しみ、家では「小さなお父さん、小さなお母さん」になって共同生活者としての役割を、育児を通して親子が理解し合いながら、支えあって助けあって生きていくことなのです。


ですから新しい脳神経科学や乳幼児の発達行動学を中心に科学的な立場から子育てを検証しながら「愛情という言葉の呪縛」よりベビーサインという赤ちゃん言語との応答関係の成立「愛された関係」と呼ぶべきなのです。
そしてこの大切なコミュニケーションツールは(社福)童心会の保育方針にもなっています。

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保育方針
(声なき声に耳をかたむけて)


わたしをぎゅっとして

わたしを聞いて

わたしを見つめて

わたしを呼んで

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昨年の平成30年4月、私たちは柏駅東口から5分の所に「柏ECEC保育園」を開設しました。

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柏ECEC保育園

ECECとはOECD経済協力開発機構)のいう

Early Childhood Education and Care(ECEC乳幼児期の教育・保育

という意味です。


私たちはこの1年間をECECと共に歩んできてみて
時代は次に進むべきであると確信しました。


私たちが目指すべき道

Innovation of Human Education and Care
(IHEC 新しい人間教育・保育の創造)


に向っていきます。


皆さまのご理解を得て共に歩んでいける日を楽しみにしています。

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令和元年5月吉日

社会福祉法人 童心会

理事長 中山勲