”保育所から始める村づくり”
私は、6月の「理事長一口メッセージ」を次のように書いて各園に送らせて頂きました。
人とひととの ぬくもりで
子どもが育つ 親が育つ 地域が育つ街
(社福)童心会
折しも6月は、各園共に「父親保育参加、パパの保育体験」の月間でした。
毎年のことですがとてもたくさんの”イクメン”たちが協力をしてくれました。
朝会の時には「この人は誰ちゃんのパパかな?」と問いかけると、全員が分かって答えていました。
その時のパパの不思議そうな顔をしているのが笑えた、とある園長は言っていました。
このお話を聞いて、私はお猿さんたちの仲間遊び「毛づくろいするお友だち」が150匹もいるというお話を思い出しました。
しかし、今私たちが一緒に暮らしている周囲の人たちの中で、150人も知人
がいる、という人の話はあまり聞いたことがありません。
しかし、(社福)童心会の子どもたちは驚いたことに150人以上の人たちの名前を知っているのです。
毎日の保育園生活の中で一緒に暮らしているたくさんのお友だちの名前、
そして先生たちの名前、そしてまた毎日毎日送迎をしてくださっているお友だちのパパ、ママ、おじいちゃん、おばあちゃんの名前も覚えているからです。
子どもたち一人ひとりの毎日の生活や「ふれあい春夏秋冬まつり、運動会やX’mas生活発表会」などのさまざまな行事を通して子ども達の脳の中に記憶されていたのです。
知らず知らずのうちに生みの親・育ての親・養育者(地域親)との関わりから
脳の神経細胞(ニューロン)がつながりあって神経回路となりシナプスがつながりあって脳の回路がさらに新たに繋がって記憶されるのだそうです。
シナプスは生後すぐから急に増え始め、3~4才ころまでにピークになります。
(社福)童心会の「五感を刺激する0歳からの人間教育」は2000年頃から
このような意味があると脳神経科学からのエビデンス(科学的根拠)が実証してくれているのです。
脳の発達場所は月齢によって違いますが、少なくとも0~3、4歳まではすべての分野を鍛えるために、刺激を与えることが必要なのです、と言われています。
昔から言われているアフリカの諺の中に、
「子どもを一人育てるためには一つの村が必要だ!」
と言う言葉があります。
この言葉の意味は、子どもは一つの家庭の中で育てられるものではなくて
地域、社会の価値観の中で
「仲間と共に生きるを学び、人間(ヒト)としてどう生きるか」
を学び続けていく存在だからなのでしょう。
だから”私たちの目ざす新しい道しるべはひとつ”です。
1 on 1
(一人ひとりと)
一人ひとりと 向かい合って
一人ひとりと 分かりあって
一人ひとりと 寄りそいあって
教えあって 育ち育てあうこと
自分の ために
ひとの ために
支えあって 助けあって生きる
を訓とする。
私はこのような”こころざし”を持つ者同志が、育ち育てあう村づくりをいつも夢に描いてきました。
次の世代に生きるものたちに”利他の心(他人の幸福を願うこと)”を育み、慈尊(弥勒菩薩)の訓に順ずる
穏やかな人柄(心が落ち着いて 安らかなさま)
を身につけたヒトに育ってくれることを祈りつつ次の言葉を皆さまに贈ります。
〔保育所から始める村づくり〕
今 ここは 町の小さなコミュニティ
うるおいのある ところで
心とこころが ふれあうところ
また 心の昂ぶりが 育まれるところ
そして 共にくらす仲間たちが
助け育ちあう ところ
だから ここは 私たちの家
ここに くらす 仲間たちは
私たちの 家族のひとり
以上
令和元年7月 吉日
社会福祉法人 童心会
理事長 中山勲