思いやりと生きる力

わたしを ぎゅっとして わたしを 見つめて わたしを 聞いて わたしを 呼んで

〔 愛されて育った子は賢くて強い! 〕

 私たちの情報誌「遊育12号」の中で 、汐見稔幸東京大学名誉教授は平成の保育を語りました。

 平成の30年間はウェルフェア(welfare= 福祉)からウェルビーイング(well being= 身体的・精神的・社会的に良好な状態=幸せな人生)への転換の時代であった と言っています 。


 子育て支援児童福祉法に位置づけられるといった動き(平成17年施行)はそれまで特殊な人を対象にしていた福祉の範囲が広がり、すべての人が対象となりうる社会に変わってきたということです。
 汐見先生は続けて1990年代の子育て状況をふり返って、横浜市にあった日立家庭教育所で行ったアンケート調査「3歳児子育て研究」の事例を上げてお話していました 。


「子どもを叩くときにはどこを叩きますか」

 

という設問に、叩いているという人は8割超に上ったというのです。親の感想には、なぜ子どもを叩いてはいけないのか、叩かないで子どもをしつける方法はあるのですか 」と書かれていたそうです。
 1970年~1980年代に厚生労働省から公表された「育児不安や育児のイライラ感」が80%となった結果は、私は大家族が家庭教育力を失った時代から
「育児崩壊」へと歩み始めた結果だったと思っています。


 このころ、学級崩壊(小1プロブレムなど )が問題化し、ひきこもり (今の時代の80:50 70:40問題) が増えました。


 自殺者が3万人を超え(1998年~2011年)、国は1995年から本格的に子育て支援に力を入れ始めました。

 汐見先生は続けます。

 否応なく少子高齢化が進む中で、我々がどういう社会をつくろうと考えるのか、
自分の住んでいる地域を住みやすい町にするにはどうしたらよいか、
ということを地域で住んでいる人みんなで考えるしかありません、というのです。
 

 私たち(社福)童心会はアフリカの諺

「子ども一人育てるには、一つの村が必要だ!」

を知る以前から

保育所から始める地域コミュニティ創り」

運動に取り組んできました。


法人だより7月号にも書いたのですが、次のような要旨です。

保育所から始める村づくり 〕


今   ここは 町の小さなコミュニティ
    うるおいのある ところで 心とこころが ふれあうところ
そして 共にくらす仲間たちが 助け育ちあう ところ
だから ここは 私たちの家 ここに くらす 仲間たちは
    私たちの家族のひとり


 新しい脳神経科学のエビデンスに裏付けさせれた科学的知見は、脳が実際にどのような発達をするのかが機能的MRI( fMRI )で明らかになっています。


 こうした重要な情報を活用しながら在家庭の乳幼児,学齢前の子どもたちの
健全な発達を促す人間教育に取り組まなければなりません。
 乳幼児の社会的、感情的発達ならびに知的発達についての研究結果は、「自分自身が安全であることを理解し、周囲から愛されて守られていると感じることが必要であり、
他の人とつながっていると感じる必要があるのです。最初の人間関係が愛情深いものであれば、関係を広げて学校での学びと社会生活力が高くなる。」と実証してくれているのです。


 即ち子どもを取りまく親や先生、養育者や地域の育ての親たちが、子ども達に安全を感じさせ、愛情とやさしさと気遣いを持って人間を創ることなのだそうです。


要するに簡単に言わせてもらえば


・愛された育ちは子どもの権利であり
・だきしめ言葉は親や養育者の義務である


ということなのです。

 愛されてだきしめられて 育った子どもは 前頭葉を刺激して認知能力が高くなるのだそうです。


 そうして(社福)童心会の保育方針(1on 1)と心に残る生活体験学習は次のようになりました。


保育方針(1on 1)


わたしをぎゅっとして  わたしを 聞いて
わたしを見つめて    わたしを 呼んで


心に残る生活体験学習


1)笑った数一番  

2)だっこされた数一番 

3)やさしくされた数一番 

4)あそんだ数 一番

5)でかけた数 一番

6)チャレンジした数 一番

 

だから


愛されて育った子は
賢くて強い!


(社福)童心会で育った子は
やさしくて賢くて強い!

 

 

      令和元年   8月 吉日
      社会福祉法人 童心会
      理事長    中山 勲