思いやりと生きる力

わたしを ぎゅっとして わたしを 見つめて わたしを 聞いて わたしを 呼んで

〔 保育所から始める村づくり 〕

 昔から言われていた”3 歳児神話”というお話。
つい最近まで、いや今でも3 歳くらいまで赤ちゃんのお世話は母親が主な養育者となって育児に専念しないと心も身体も健やかな子どもの成長を望むことはできない、と言われてきました。いわゆるアタッチメント(愛着形成)と長い間言われ続けてきた3歳児神話という 今ではまぼろし(幻)のお話です。 それがつい最近の脳神経科学のエビデンス(科学的根拠)では「アタッチメントの誤解」だと言うのです。

 

新しい考え方では、赤ちゃん一人育てるためにはその子の周りには20人くらいのご近所さんが居て、その中で 6 人位は主な養育者となって子育てに協力し合う村人になるべきだというのです。昔から日本の社会にもあった教育力の大切さを今さらのように伝えていることを忘れてはならないのです。


 昔からあった日本の教育力


1 三世代が住む大家族の教育力

2 ご近所の教育力

3 子ども社会の教育力

4  学校の教育力

5  地域社会の教育力

 

 私は前にも書いたことがあるのですが、アフリカのある村の諺を思い出します。”子どもを一人育てるためには、一つの村が必要だ!”と言っているのです。

 

今保育園には、五感を刺激する0 歳から 6 歳までの就学前の子どもたちと専門の研修を受け続けている保健・医療まで含めた保育者仲間たちがふれあいと見守りを続け、同時に保育園OB の小学生・中学生・高校生なども年中行事には集い、保護者の皆さまと共にクラスや保育園の育ての親となって子育てを助けあっています。
 そして(社福)童心会の仲間たちは、保育園を一つの家として、仲間たちを家族の一員として認めあっていくことが大切な生き方だと思っているのです。
 だから私たち社会福祉法人童心会の人間教育の理念は次のようになりました。

「(社福)童心会の人間教育の理念」


子どもたちの現在(いま)を最も良く生き、望ましい未来を作り出す力の基礎を培うために、時代の変化に対応した保育を創造し、実践していかなければなりません。
そして子どもたち一人ひとりが、人格を持った人間としてお互いが認められ“生れてから死を迎えられるまでの一生”を人間教育の場として捉え「人間として如何に生きるべきか」を学ぶための原体験を創ることが、人間教育(保育)の理念であります。


そして(社福)童心会の「新しい保育の創造」が「村づくり町づくり」につながることを祈りつつ活動を続けています。

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                    「思いやりと生きる力」
                    令和2 年 2 月 吉日
                    社会福祉法人 童心会
                    理事長 中山 勲